知っておきたいサプリメントの選び方と注意点
- 2022年9月20日
- 2023年7月21日
不足しがちな栄養成分を補ってくれることで便利なのがサプリメント。忙しい現代人には欠かせないものである一方、サプリメントとは何かについてはあまり知られていません。正しい知識がないために、かえって健康を害するということにもなりかねません。
そこで今回は、正しいサプリメントの選び方や注意点について考えてみることにしましょう。
Contents
現代人に必須のサプリメントとは
忙しい現代人において、毎日の食事バランスはつい軽視されがちです。そのために、栄養のバランスを崩し体を壊してしまうことも少なくありません。健康を考える上で食事は第一ですが、同時に食事だけでは補えない栄養素をサプリメントで補うことも必要になってきます。ある調査によると、サプリメントなどの健康食品は人口の約6割もの人が利用していると言われています。
サプリメントは食品
サプリメントは、ビタミンやミネラルなど特定の成分を濃縮し錠剤やカプセル化したもので、健康の維持や増進のために摂る健康食品のひとつです。
つまりサプリメントは病気や不調を治す薬とは異なり、あくまでも食品に分類されるものになります。そのため国の審査が必要ありません。極端に言えば、全く効果の期待できないものであってもサプリメントとして販売することができるというわけです。ですから、しっかりとした知識に基づいた判断をした上で商品を購入し摂取する必要があるのです。
今注目されているNMNは?
サプリメントを選ぶ際には、どのようなことに気をつけて選べばよいのでしょうか。ここでは具体的に、老化抑制に効果があると言われ今注目されている成分NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)のサプリメントを例にとって見てみましょう。
NMNは老化抑制に効果があると証明された成分で、2016年にアメリカのグループが「NMNを与えられたマウスの寿命が16%延びること」、「生後22ヶ月のマウスにNMNを投与した場合、体の細胞が生後6か月の状態に若返った」、「糖尿病のマウスにNMNを投与した場合、血糖値が正常な値に戻った」、「完治が難しいとされる心臓や肝臓の疾患に効果を示した」などの研究結果を発表しました。
また2020年「LIFE SPAN(ライフスパン) 〜老いなき世界」(デビッド・A・シンクレア・D・プラント著:東洋経済発行)という本が発売され、その著書の中で「老化は治療のできる病気である」「老化を食い止めるにはNMNが有用である」と発表されて以来NMNは一気に注目を集め、現在世界的に人気の高い成分と言えます。
このNMNという成分は野菜や種子などにも含まれますが、これまでの研究からは、ヒトへの効果が期待されるNMNを1日250mg摂るためには、ブロッコリーなら4000房、枝豆なら2万粒も食べなければならないことになります。これだけの量を毎日摂取することは物理的に不可能なため、効率よく摂取可能なサプリメントが大変有効となります。
中には全く違った成分も
先述したとおりサプリメントは食品であるため、販売することに関して医薬品枠にあるような規制はありません。極端に言えば誰であっても販売できてしまうわけです。
今注目のNMNサプリについては、商品化にあたり大変コストがかかるため、現在のところ価格的には高価なサプリメントと言えます。しかし最近では、非常に安価な商品も多く出回るようになっています。気をつけなければならないのが、全く関係のない成分で製造されているものをNMNとして販売している例が見受けられるということです。いくら安くて購入しやすいとはいえこのような場合、NMNの効果を得られないだけでなく、有害な物質を含んでいる危険性もあり、健康被害に及んでしまうことが懸念されます。
そのため基本的なことですが、原材料や成分含有に「NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)」と記載があるかをまずは確認しましょう。商品名に「NMN」とありながら、NMNが全く入っていないものもあるので要注意です。
また、説明文に「NMN」という文字が入っていても、実際は体内でNMNをつくるナイアシンだけが入っているという商品もあります。このように本物か否かを見極めるためには、必ず原材料欄や成分含有欄をチェックするよう心がけるようにしましょう。
含有量はどのくらいか?
いくら良い成分であっても、その含有量が低ければ必要な量を摂取できないということになります。1カプセルにつきどれだけの量が含まれているか、極端に少なかったりしないかなどチェックしましょう。
NMNの場合、標準的なカプセル1つあたり100~120mgが標準量となり、150mg程度であればかなり十分な含有量であると言えます。
また含有量だけでなく、NMNそのものの純度も重要な要素です。NMNの効果を実感するには、純度99%以上の商品を選びましょう。というのも、純度の低いサプリメントには本来必要のない増量剤や添加物などを配合することにより、内容量を増やしている可能性があるからです。また配合している成分やその量などについても着目することが必要です。
継続するためのコスパを考えてみる
サプリメントは、定期的に摂り続けることで効果が期待できるものです。そのため、効果が期待できる商品だからといって、値段が高過ぎるものは容易に続けられるものだとは言えません。NMNは基本的に高価な成分であるため、あまりに安い場合は成分が入っていない可能性があり注意が必要ですが、商品の成分の含有量や容量に対して価格が適切かどうか、継続的に摂取するためにはコストパフォーマンスについても考えて商品を選ぶ必要があります。
サプリメントを選ぶポイント
サプリメントを選ぶポイントを、具体的に今注目の成分NMNを例にとって見てきました。
そこで言えることは、基本的にサプリメントは具体的な病気を治すことを目的で摂取するものではなく、あくまでも足りない成分を補うものとして摂取するということです。毎日の食生活において栄養バランスとして不足しがちな成分や、加齢とともに不足しがちな必要成分を効率的に補うこと。そのことをまず前提として商品を吟味することが必要です。
また参考までにお伝えしますと、有効成分は効き目の証明ではないということです。有効成分とはあくまでも成分含有の有無であり、その効果は個人によって大きな差があるということを理解した上でサプリメントを有効活用していくことが重要となります。