NMNによる妊娠・出産率に対する可能性

2020 / 9 / 24

 

加齢に伴う女性の生殖能力は卵細胞の質の低下を伴う不可逆的なプロセスですが、その理由の一つにNAD+レベルの低下が関与しています。老化研究の権威であるハーバード大学のシンクレア博士らがニューサウスウェールズ大学、リムリック大学などと共同研究を行った成果が2020年のアメリカの科学雑誌*に発表されており、その論文での報告によりますと、12カ月齢のマウス(ヒトでは40代に相当します)の卵細胞では、4-5カ月齢のマウス(ヒトでは20代に相当します)と比較してNAD(P)Hが低下していましたが、NMNの投与により、NAD(P)Hのレベルを上げることができました(左図)。13カ月齢のマウス(ヒトでは40代に相当します)にNMNを飲み水に混ぜて0.5および 2 g/Lの濃度で4週間投与した結果、NMNの投与により、出産児の数を増やしましたが、この効果は低濃度のNMNのみで認められたため、NMNを高濃度で用いても、妊娠、出産に対してプラスの効果はない可能性を示唆しています。
* Cell Rep. 2020 Feb 11;30(6):1670-1681.

※日本語訳は、原文の全てを直訳したものではなく、要旨を意訳したものです。

 

 

訳者注:左図-卵細胞の蛍光顕微鏡写真。NAD(P)Hが多いと赤く、少ないと青い。
右図-14-16カ月齢のマウス(ヒトの40代後半)の出産率。NMNの低投与量(0.5g/L)で優位に数が増えたが、高投与量(2g/L)では投与しない場合と同程度であった。

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