乾燥する季節の美肌対策―細胞レベルからのアプローチ―
- 2023年12月12日
- 2023年12月12日
寒くなると乾燥が気になってきます。冷たく乾いた空気の下では、肌も乾燥してカサカサしがちです。
しかしそんな季節であっても、みずみずしくハリのある肌の人もいます。その違いは一体どこにあるのでしょうか。
肌トラブルの起きやすいこの時季、どのようにすればみずみずしい潤い肌を保つことができるのか…。
今回は、乾燥する季節の美肌対策について考えてみることにしましょう。
Contents
美しい肌は水分量の多さにある
美しい肌といって思い浮かべるのは、水分をたっぷり含んだみずみずしくハリのある肌ではないでしょうか。
実際、肌の水分量とは角質に含まれている水分のことを指します。みずみずしい肌の水分量は、角層重量に約20〜30%の水分が含まれており、それよりも少ない量だと肌のみずみずしさが失われ、シミやしわ、乾燥肌といったトラブルを引き起こします。
また「ガサガサ」、「ザラザラ」、「パサパサ」といった見た目や感触にも現れることとなります。
本当に必要な乾燥肌対策
空気が冷たい寒い季節になると肌の乾燥が気になり、当然肌への影響も大きくなります。そのために、様々な乾燥防止対策をとっている方もいらっしゃると思います。
防止対策としてまず思い浮かぶのは、加湿器を使ったり、濡れタオルをかけるなどして、室内の湿度を最適に保つこと。美容液や化粧水などを使用して、肌への水分量を増やしてあげること。
また、保湿クリームなどを塗って、肌に含まれた水分を外へ逃がさないということも有効です。
しかしこれらの対策をとったとしても、肌自体が多くの水分を保つことができなくなってしまっている状態では仕方がありません。
肌は細胞レベルからから乾燥を防ぐ
この肌自体が水分を保つことができなくなってしまう状態とは、主に、古く水分を含むことができなくなってしまった肌がいつまでも残っていることです。
というのも肌は、約28日間(4週間)で細胞が入れ替わり、これをターンオーバーといい、肌の奥で新しい細胞が生まれます。
その後14日間で細胞が上へ押し出され、上へ押し出された細胞は14日間角質層となり、役目を終えて古くなると垢となって剥がれ落ちます。これが一般的な新陳代謝の流れです。
しかし、何らかの原因で新陳代謝がスムーズに行われなくなると、肌の再生スピードが落ち込み、古い肌がいつまでも残ってしまうのです。
この新陳代謝を鈍らせてしまう大きな原因は、加齢に伴う肌の老化です。肌の老化とは、細胞が傷つけられてしまい、新しい細胞が産生されづらくなってしまっている状態です。
新しい細胞がないのですから、ずっと古い細胞を使わざるを得ません。
よって肌は生まれ変わらず、乾燥した肌になってしまうのです。
つまりこの肌が老化してしまう要因を取り除くことができれば、水々しい肌を手に入れることができるということになります。
老化を食い止めるNAD
そこで注目されるのがNAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)という補酵素です。このNAD はエネルギー産生をする際に必須な物質です。
と同時に、老化や寿命を制御するとされるサーチュインという長寿遺伝子を活性化する働きがあります。ヒトはSIRT1 〜SIRT7 までの7 種類のサーチュインがあり、これらはそれぞれ異なる機能を持っています。
なかでも「SIRT1」は、皮膚細胞に対する機能性が非常に高いことが分かっています。具体的には、シミやシワの改善、バリア機能の改善、セラミドの合成、筋肉の改善する、脳機能の改善、ミトコンドリアの活性化といった機能があり、これらを活性化することにより、老化を食い止めることが可能になると考えられています。
NAD を効率よく摂取するためには
ただこのNAD そのものを摂ったとしても体内には吸収されることはありません。しかし体内での産生量が減った状態のままでは、加速度的に老化が進んでしまいます。そこでこのNAD に変換される前駆体であるNMN(ニコチンアミド・モノヌクレオチド)を体内に摂取することが有効と考えられています。
NMN はもともと私たちの細胞の中に自然に存在する補酵素です。このNMN、若い頃には体内で多く産生されるため、新しい細胞がどんどんと作られ、新陳代謝がスムーズに行われています。しかし、加齢とともにNMN を体内で作り出す力が衰えてしまいます。これにより、新たに作られる細胞が減ってしまい、新陳代謝がスムーズに行われなくなってしまうのですが、NMNの摂取は、衰えた細胞がよみがえる可能性が高いものと考えられています。現段階では、NMNはまさに人間の老化をコントロールできる最も高い可能性を持つ物質の一つとして注目されています。
サプリメントを活用しよう
NMN は野菜や種子などにも含まれますが、これまでの研究からヒトへの効果が期待されるNMN を1 日250mg 摂るためには、ブロッコリーなら4000 房、枝豆なら2万粒も食べなければならないことになります。これだけの量を毎日摂取することは物理的に不可能なため、効率よく摂取するにはサプリメントが有効です。
サプリメントであれば、手軽に一日に必要な量のNMN を簡単に摂ることができます。しかし注意しなければならないのは、現在NMN として発売されているサプリメントの中には、化学合成によって作られた製品や、NMN と謳っていながら不純物が含まれているものが多くあります。これらの製品は安全な長期間の使用には残念ながら適しません。そのため、NMN サプリメントを摂取する際には、化学合成でないもの、そして高純度の製品を選ぶ必要があります。
乾燥肌を防ぐためには…
寒い冬の季節に乾燥肌を防ぐためには、乾燥対策を行なうことはもちろん大事ですが、それ以上に肌の質を細胞レベルで向上させてあげることがなにより大切となってきます。
そのためには、NMN を効果的に摂取して肌の老化を食い止めてあげることが重要です。またその他に、ストレスを溜めない、栄養バランスの取れた食事をする、質の良い睡眠を心がけるなど、生活態度から見直していくことも大切になってくることでしょう。