【NMNと老化】老化のシステムとその対策

厚生労働省のまとめによると、2019年日本人の平均寿命は、女性87.45歳、男性81.41歳となり、女性は7年連続、男性は8年連続で過去最高を更新しました。

また、2040年には女性89.63歳、男性83.27歳という更なる平均寿命の更新数値が国立社会保障人口問題研究所の推計で示されています。

 

このように平均寿命が年々伸びていく中で、「いつまでも健康で若々しくいたい」という思いが、これまでにも増して強く求められる時代となっています。

 

そこで今回は、改めて老化とは何か、そして老化を制御するためにはどのようなことができるのか、最新の研究をもとに考えてみることとしました。

 

 

老化とは

「老化」とは一般的に、成熟期以降に起こる生理機能の衰退で、遺伝的な要因や外界からのストレスに対し、適応力が低下することで起こる変化と考えられています。

 

そしてこの老化のスピードには個人差があり、人によって実年齢より若く見られたり、逆に老けて見られてしまうこともあります。これは身長や体格など、成長する際のスピードが個体によって差があるのと同様のことです。また、ひとりの人間の身体の中の組織や細胞によっても、そのスピードが変わってきます。例えば髪の毛の量が少なくなっているが、体力的には若い頃とあまり変わりがないなどといったように、一部の組織の老化が進んでも、他の組織は老化の速度が遅いということもあります。

 

 

細胞の入れ替わり

私たちの身体を構成している細胞は、日々分裂を繰り返していますが、細胞に対する研究では、胎児から採取した細胞はおよそ50回の分裂が限界であることがわかりました。この限界まで達した細胞は、増殖能力がもとに戻れないように制御されており、増殖を促す処理を施しても再度増殖が始まることはありません。

 

若い頃は、機能の低下した細胞は取り除かれ、又新しい細胞が補充されることで、組織としての機能を保ち、老化を防ぐことができています。つまり、活発な新陳代謝により古い細胞と新しい細胞が常に入れ替わっているのです。しかし、年齢と共に細胞が入れ替わるスピードは遅くなり、取り替えること自体ができなくなると、組織の機能が低下し、徐々に老化が進行していきます。その後、細胞分裂の限界にまで達した細胞だけで生きていかなければならなくなります。これが老化です。

 

これにより老化は、分裂の限界まで達した細胞が生まれ変わることなく、体内に存在し続けることになるということが理解していただけたと思います。つまり老化を抑制するには、体内の老化した細胞を取り除くこと。もう一つは、体内の細胞を活性化させること。それができればよいということになります。

 

 

老化制御の研究

2014年にアメリカのウィスコンシン大学の研究グループから、「カロリー制限による寿命延長効果が確認された」という新たな論文が発表されました。(Coleman RJ et al.Naure Comm. DOI: 10.1038, 1 April. 2014)。

 

この研究は、7歳から15歳までのアカゲザルを、自由に餌を食べるグループ(自由摂食群)と、カロリー制限をするグループ(制限群)の2つに分けました。

餌を与えて20年間経った時点では、制限群の80%が生存していたのに比べ、自由摂食群はわずか50%の生存率でした。自由に餌を食べるといっても食餌を与えられるのは1日6時間から8時間。自由摂食の30%減の食餌を与えられる制限群では、ビタミンやミネラルを30%増にされています。このことから、「カロリー制限」が老化を抑える行為として最も科学的根拠が高いとも言えます。

 

 

カロリー制限の研究

この研究から考えられることは、カロリーを制限することによるNAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)の増加です。NADの増加により、エネルギーがどんどんと作り出され、サーチュイン遺伝子が活性化し、老化が抑えられると考えられています。このNADは、細胞における最も重要な補酵素ですが、全身のさまざまな臓器・組織において、加齢とともに劇的に低下してしまいます。つまりこのNADの減少を最小限に食い止める、あるいは増加させることができれば、老化を抑制することができ、若返りを手に入れることができるということなのです。

 

健康な20~87歳の米国人男女29人の血漿(血液中の液体成分)を分析した研究では、高齢になればなるほど血漿中のNADの量が少なくなっていることがわかった。(データ:Rejuvenation Res. 2019 Apr 1; 22(2): 121-130.)

 

 

 

NMNの有用性

このNADを増加させるために、現在世界的に注目されているのがNMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)です。NMNは、NADが生成される前段階の物質(前駆体)で、これを飲むと体内でNADに変換されます。

 

2016年にアメリカのグループが、NMNに「顕著な抗老化作用がある」ことを報告しました。マウスの実験で、「NMNを与えられたマウスの寿命が16%延びた」、「生後22ヶ月のマウスにNMNを投与した場合、血糖値が正常な値に戻った」、「完治が難しいとされる心臓や肝臓の疾患に効果を示した」などの研究結果が発表されました。

 

 

NMNを効率よく摂取するには

NMNは野菜や種子などにも含まれますが、これまでの研究からヒトへの効果が期待されるNMNを1日250mg摂るためには、ブロッコリーなら4000房、枝豆なら2万粒も食べなければならないことになります。これだけの量を毎日摂取することは物理的に不可能です。そこでNMNを効率的に摂取するにはサプリメントなどが有効となります。

 

ただ注意すべき点は、現在NMNとして販売されているサプリメントの中には、化学合成によって作られた製品や、NMNと謳っていながら不純物が多く含まれているものがあります。これらの製品は安価で販売されているものが多く、安全な長期間の使用には残念ながら適しません。そのため、NMNサプリメントを摂取するためには、化学合成でないもの、そして高純度の製品を選ぶ必要があります。

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