糖尿病による腎不全のストッパーとなる治療法を発見

2021/04/12

 

慶応義塾大学公式サイトより、NMN投与による治療法発見についてのプレスリリースの発表がありました。

 

参照元サイト https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2021/4/2/210402-2.pdf

 

慶應義塾大学医学部内科学教室(腎臓・内分泌・代謝内科)の伊藤裕教授、脇野修准教授、長谷川一宏特任講師、安田格助教らの研究グループは、糖尿病性腎症のドミノストッパーとなる治療法を発見しました。

 

糖尿病性腎症ドミノとは、

  • 糖尿病を発症

  • 糖尿病による腎障害である糖尿病性腎症が進行

  • 高い確率でやがて透析に至る

という連鎖がドミノ倒しのように進む病態です。

 

新型コロナウイルスのリスクファクターとしても、糖尿病性腎症は社会的に大変重要です。この度、本研究グループは基礎実験の成果で、ニコチン酸モノヌクレ オチド(NMN)(注 1)という物質の投与方法を工夫することで、この糖尿病性腎症ドミノの遮断機、つまりストッパーとなりうる画期的治療法を発見しました。 本研究成果は、2021年4月2日(日本時間)に、米国腎臓病学会誌『Journal of the American Society of Nephrology(JASN)』に掲載されました。

 

(注 1)NMN:2015年1月4日の NHKスペシャル『私たちの未来 Next World』で放送され、若返りを実現出来る可能性のある分子という情報で注目を浴びた物質です。ニコチン酸モノヌクレオチド(nicotinamide mononucleotide)を省略して NMN と書きます。NMN は細胞内で NAD を作る際の材料です。したがって NMN を増やせば、NAD が増えてサーチュイン(注 3 参照)の作用が高くなると予想されます。

 

(注 2)以前の研究:2020年1月21日に本学よりプレスリリースを行った。

https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2020/1/21/200121-1.pdf

 

(注 3)Sirt1(サート ワン):Sirtuin(サーチュイン)1 を略して Sirt1 と表記することが多くあります。哺乳類には 7 種類のサーチュイン(Sirt1-7)が知られています。それぞれ標的タンパク質が違いますが、NMN 投与で NAD が増加すれば、複数のサーチュインが影響を受ける可能性があります。研究グループは、Sirt1 の腎臓での重要性をこれまで明らかにしてきました。サーチュインは NAD 依存性、つまり NAD を材料にし、タンパク質の脱アセチル化を促進する酵素です。脱アセチル化された標的 タンパク質の機能が高まって生体にとって好都合な変化を起こすといわれています。たとえば、抗酸化、抗炎症、エネルギー代謝を効率化させる蛋白の機能を高めて、若返りを実現できる可能性のある酵素として注目されています。

 

プレスリリースの内容についてさらに詳しく知りたい方はこちらから

 

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