NMNによる認知機能回復への可能性

  • 2020年9月30日
  • 2023年7月24日

2020 / 7 / 15

 

化研究の世界で著名なハーバード大学のシンクレア博士をはじめとするアメリカとハンガリーの研究チームが、高齢のマウスでは、若いマウスと比較して脳微小血管内皮細胞中でミトコンドリア中の活性酸素が増えており(左図)、さらにミトコンドリアの機能とATP量が低下していたことを報告しています。また、高架式十字迷路を用いてマウスの海馬依存的学習記憶力を評価したところ、若いマウスでは前日の学習記憶が維持されていたものの、高齢マウスでは維持されていませんでした。一方で、NMNを高齢のマウスに投与すると、記憶力は若いマウス並みに回復しました(右図)。これらの発見は高齢者のアルツハイマー型認知症患者への治療に応用できる可能性があると考えられました。
出典:Redox Biol. 2019 Jun;24:101192.

※日本語訳は、原文の全てを直訳したものではなく、要旨を意訳したものです。

 

 

訳者注:
左図-ミトコンドリアの活性酸素の量。若いマウスではNMNの投与の効果はなかった。右図-NMNを投与した高齢マウスでは若いマウスと同レベルの学習記憶能力が観察された。

最新ニュース一覧へ戻る >