【NMN [ヒト] 臨床試験報告】 体重・コレステロール減少、最低血圧の低下

  • 2023年9月11日
  • 2024年1月12日

ハーバード大学のシンクレア博士らのNMNを用いた臨床試験の結果が、2023年2月にThe Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism, 2023, 108, 1968–1980で報告されました。

 

試験は2020年の2月に開始されましたが、新型コロナウイルスの感染拡大のため7か月間の休止を経て9月に再開、最終の投与は2021年の10月に終了し、解析が進められました。

 

被験者は62±9歳の肥満あるいは肥満気味(体重86±12kg、BMI 29±4kg/m2)の健康な男女30名でNMNとプラセボ群2:1の比率でランダム化試験を実施しました。

 

500mgを1日2回(合計1g)、28日間投与した結果、NMN投与群ではプラセボ投与群に対し、次の項目で有意な低下が認められました。

総コレステロール  (-26.89mg/dL)

体重  (-1.9kg)

LDL  (-18.73 mg/dL)

non-HDLコレステロール  (-24.56 mg/dL)

最低血圧  (-7.01mmHg)

 

当該試験では最終投与日前後に筋力測定も実施しました(レッグプレス、チェストプレス、階段駆け上がりテスト)が、いずれの測定においても有意な差は認められず、同時に測定した筋肉疲労、有酸素容量にも有意差はありませんでした。また、インスリン感受性や肝臓や体脂肪の変化も認められませんでした。

 

引用文献:

Nicotinamide Adenine Dinucleotide Augmentation in Overweight or Obese Middle-Aged and Older Adults A Physiologic Study

※日本語訳は、原文の全てを直訳したものではなく、要旨を意訳したものです。

 

Thirty overweight or obese adults, ≥45 years, were randomized in a 2:1 ratio to 2 MIB-626 tablets each containing 500 mg of microcrystalline β-nicotinamide mononucleotide or placebo twice daily for 28 days.

Baseline characteristics of the participants in the 2 groups were similar. The mean±SD age of the participants was 61.9±8.6 years, body weight 85.5±12.3 kg, and body mass index 29.2±3.6 kg/m2.

Body weight (difference −1.9 [−3.3, −0.5] kg, P=.008); diastolic blood pressure (difference −7.01 [−13.44, −0.59] mmHg, P=.034); total cholesterol (difference −26.89 [−44.34, −9.44] mg/dL, P=.004), low-density lipoprotein (LDL) cholesterol (−18.73 [−31.85, −5.60] mg/dL, P=.007), and non-HDL (−24.56 [−39.31, −9.81], mg/dL, P=.002) cholesterol were significant.