NMNの利点をより効率的に活かす「活性水素」

  • 2022年2月2日
  • 2023年7月24日

「長寿遺伝子」とも呼ばれるサーチュイン遺伝子の活性化で知られるNMN。
それは、老化に伴う様々な疾患を起こしにくくし、慢性的な炎症を鎮め、細胞の発電所ともいえるミトコンドリアの機能を高めるものと期待されています。
細胞のエネルギー状態を充実させるミトコンドリアの活性は、「元気さ」や「若々しさ」を保つ重要な要素の1つです。

 

老化研究の第一人者であるハーバード大学・シンクレア博士の研究によると、NMNを与えた高齢マウスのミトコンドリアが、若いマウスと遜色なく機能するようになることが観察されています。また、人間の年齢では85歳位に相当する老齢マウスにNMNを与えると、トレッドミルでの走行距離と時間が、投与されていないマウスの1.6倍に伸びたことも報告されています。
(Cell. 2018 Mar 22;173(1):74-89.)

 

ところが、ミトコンドリアがたくさんのエネルギーを作ると、活性酸素もまたたくさん産生されてしまいます。NMNの使用でミトコンドリアが活発になると、活性酸素が過剰になり、活性酸素の害が生じる可能性が高まります。

 

「長寿遺伝子」の活性化につながるNMN。その利点をより効率的に活かすには、水素のような活性酸素消去能の高い抗酸化物質も同時に摂取することが望まれます。一般に活性酸素を消去する能力が衰える高齢になればなるほど、その意義はより大きくなるでしょう。

 

前出シンクレア博士の研究でも、NMNと水素を投与された老齢マウスのトレッドミル走行距離・時間が、NMN単独の1.6倍よりさらに伸びて、投与されていないマウスの2倍になることが報告されています。

医学博士 菊地悦啓(きくち よしひろ) 医療法人社団日新会入澤病院副院長